高血圧と診断されたとき治療する際に処方される薬(降圧薬)は様々ありますが、それぞれの薬の名称や特徴などは、知っていますか?
そこで、今回は主な薬(降圧薬)の名称や特徴、副作用など紹介します。
カルシウム拮抗薬は、日本で最もよく使われるタイプの薬で、血管を拡げて血圧を下げる効果があります。
ジヒドロピリジン系とベンゾジアゼピン系の2種類あり、血圧を下げる目的ではジヒドロピリジン系が主に使用されます。
アムロジピン(商品名:アムロジン・ノルバスク錠)
ニフェジピン(商品名:アダラート錠)など

動悸、頭痛、ほてり感、浮腫、歯肉増生や便秘などが起こる場合があります。
注意点
グレープフルーツやセントジョーンズワートとは併用しないでください。
ARBは「アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬」という薬で、カルシウム拮抗薬の次によく使用されている降圧薬です。
血管の収縮を抑えることで血圧を下げる効果があります。
また、服用することで長期的に腎臓の機能の低下を抑える効果もあるといわれています。
ロサルタン(商品名:ニューロタン錠)
テルミサルタン(商品名:ミカルディス錠)
イルベサルタン(商品名:アバプロ錠)など

めまいなどが起こる場合があるが頻度は低いようです。
注意点
慢性腎臓病患者の方が初めて内服する場合、腎臓の機能が低下する場合があるので要注意です。
妊娠中・授乳中の方は服用できません。
昇圧系と呼ばれ、血圧を上げる働きを持つ血液中のレニン・アンジオテンシン(RA)系の働きを抑えて血圧を下げる効果があります。
また、冠動脈疾患が発症するリスクを抑えるということもわかっています。
カプトプリル(商品名:カプトリル錠)
エナラプリル(商品名:レニベース錠)
アラセプリル(商品名:セタプリル錠)など

一部の糖尿病治療薬と併用した時に、血管神経性浮腫と呼ばれる、突然皮膚や喉、舌などが腫れて息苦しくなる症状が起こる場合があります。
この症状がみられた場合は、ただちに服用をやめて、医師や薬剤師に連絡してください。
また、ARBと同様に慢性腎臓病患者の方が初めて内服する場合、腎臓の機能が低下する場合があるので要注意です。
日本食は、醤油や味噌などといった塩分の多く含まれる調味料を使用した食事が多く、日本人の塩分摂取量は必然的に多くなってしまいます。
その結果、食塩の摂取量を減らすことで血圧を下げることが出来る場合が多々あります。
高血圧の治療においては、まず塩分の摂取量を減らす「入れない減塩」をすることが重要ですが、この「入れない減塩」が難しいという場合は、利尿薬を服用し、塩分を尿からの排泄することを促すことで血圧を下げる「出す減塩」を行う必要があります。
「入れない減塩」と「出す減塩」についてはこちらで詳しく紹介しています。
⇒減塩には2種類ある!?「入れない」と「出す」を使い分ける高血圧予防!
トリクロルメチアジド(商品名:フルイトラン錠)
ベンチルヒドロクロロチアジド(商品名:べハイド錠)
ヒドロクロロチアジド(商品名:ヒドロクロロチアジド錠「トーワ」)など

低ナトリウム血症、低カリウム血症などの電解質異常や耐糖能低下、高尿酸血症などの代謝系への影響が出る場合があります。
注意点
利尿薬を服用し、塩分の排出を促す際に、それまで正常だった体内のカリウムも減りすぎてしまい、低カリウム血症になる場合があります。
低カリウム血症は、カリウムを排出しないタイプの利尿薬やカリウム製剤を併用することで予防できます。
また、果物などを積極的に摂取することでも予防できる場合があります。
血管を拡げ、昇圧系を抑え、心臓から血液が送り出される量を抑えることで血圧を下げる効果があります。
高血圧と診断された初期の段階では処方されることはない薬ですが、その後の経過や症状など必要に応じて使用することのある薬です。
アテノロール(商品名:テノーミン錠)
ビソプロロール(商品名:メインテート錠)
ベタキソロール(商品名:ケルロング錠)など

この薬の影響で除脈といわれる脈拍数が減少する症状が出ることがあります。
また、糖や脂質の代謝に悪影響を及ぼす場合があります。
注意点
利尿薬を服用し、塩分の排出を促す際に、それまで正常だった体内のカリウムも減りすぎてしまい、低カリウム血症になる場合があります。
喘息患者さんは服用することができない薬です。
今回の下げ活ポイントは【飲み忘れや飲み合わせに気を付けよう】です。
こうやって調べてみると、高血圧の薬といっても種類や効果など多種あることに改めて気づきました。
これらの降圧薬は、基本的には医療機関で診察を受けて処方されるものなので、自分の症状や高血圧の進行具合などによって、適切な服用する種類や量を指示されると思います。
なので、自分で注意するところといえば「飲み忘れ」と「飲み合わせ」の2点ではないでしょうか。
高血圧の薬は、血圧を下げる効果はあっても、高血圧を根本から治す薬というのは無いといわれています。
薬を服用して血圧を安定させている間に食事療法や運動、生活習慣の改善などを行い、薬を服用しなくても血圧が安定するようにしなければなりません。
そこで、「飲み忘れ」や中断をしてしまうと、血圧はすぐ元の高血圧の状態に戻ることになってしまいますので、処方された量や服用期間をしっかり守りましょう。
また、「飲み合わせ」に関しては、カルシウム拮抗薬の様にグレープフルーツとの相性が悪いなどの注意点があるものがありますので、自分が服用している薬の注意点をしっかり認識しておきましょう。
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