以前にも降圧薬の副作用などをまとめて紹介しましたが、いろいろと調べているうちに降圧薬が原因とされる気になる副作用を見つけてしまいました。
それは「味覚障害」です。
私自身、「味覚障害」という言葉は知っていますが、なんとなく「味を感じにくくなるのかな」くらいの知識しかありませんでしたので、今回は味覚障害と降圧薬の関係について調べてみました。
しょっぱいとか甘い、すっぱい、苦いといった「基本的な味」が感じにくい、分からないといった症状を味覚障害と言うそうです。
その症状は人によって様々ありますが、下記の様に5つに分類できます。
味覚消失・・・「味がまったくわからなくなる」
異味症・・・「本来の味とは違う、嫌な味がする」
解離性味覚障害・・・「ある一部の味が感じられない」
自発性異常味覚・・・「何も食べていないのに、口の中で苦味や甘味を感じる」
味覚障害の原因は年齢・性別、生活習慣、病気・ストレスなどいろいろありますが、薬の副作用で起こる味覚障害のことを「薬物性味覚障害」と呼び、今回の降圧薬が原因で起こる味覚障害もこの「薬物性味覚障害」に該当します。
すべての降圧薬が味覚障害を起こすわけではありませんが、主な原因としては下記の2つの効果を持った降圧薬を服用することにより、その副作用として味覚障害を引き起こしてしまう可能性があります。

「亜鉛キレート作用」とは、体内で細胞へ亜鉛が取り込まれるのを薬が妨げてしまう作用のことです。
この「亜鉛キレート作用」のある薬を長期間服用すると、体内の亜鉛が尿から排泄されて慢性的な亜鉛不足が起こります。
亜鉛は味を感じるのに必要な味蕾(みらい)という口の中の細胞の新陳代謝に必要な栄養素で、亜鉛不足が起こると味蕾(みらい)の新陳代謝が十分に行われなくなり、味覚障害が引き起こされるといわれています。

唾液の分泌を抑える作用のある薬も味覚障害を起こすことがあります。
食べ物の味覚成分を溶かし出す役目を持っている唾液は分泌量が減少すると本来口の中に溶け出してくるはずの味覚成分が減ってしまうため味を感じにくくなります。
また、味を感じるのに必要な味蕾(みらい)が唾液が減少することでダメージを受け、味を感じる機能が衰えるといわれています。
現在、味覚障害が起こる可能性が報告されている降圧薬は・・・
ラシックス
ディオバン
レニベース
アムロジン
ブロプレス などがあります。
もし、現在味覚に不調を感じている方で、上記の降圧薬を服用している方は一度医師に相談することをオススメします。
味覚障害をそのまま放置すると、最終的には味が全く分からなくなってしまいます。
何を食べても、何を飲んでも、味を感じなくなり、食事すること自体が不快になったり、苦痛を感じるようになってしまいます。
中には、味覚障害が原因で日常的に食欲が無くなったり、栄養のバランスが崩れたりした結果、その他の病気を発症するなど弊害が出る場合もあります。
治療に関しても開始の時期が遅れれば遅れるほど、症状が緩和するまで長い治療期間が必要になりますし、その分、治療に掛かる費用も高くなってしまいます。
降圧薬の服用が原因の味覚障害であれば、該当する降圧薬の服用を中止して様子を見るか、別の薬への移行などが考えられます。
また、味覚障害は体内の亜鉛不足が原因の場合が多いため、亜鉛製材などを服用し亜鉛不足を補いながら、食事療法をする場合もあるということです。
降圧薬などの薬が原因と思われる場合は、自己判断で薬の服用を停止すると本来治すべき病気に悪影響が出ることもありますし、その他の薬やサプリ等を追加で摂取する場合も、飲み合わせなどの関係で危険な副作用などが起こることがありますので、必ず医師に相談してから行ってください。
今回の下げ活ポイントは【高血圧改善の為にも味覚を守ろう】です。
高血圧の改善には、食生活の改善が必要不可欠です。
中でも、減塩を行うために普段の食事よりも味の薄いものを食べなくてはならない場合が多々あるので味覚障害になってしまうと、より味や風味を感じることができずに、味気ない食事になってしまいます。
結果、食事の面で苦痛を感じ、諦めてしまったり、挫折してしまったりすることになるかもしれません。
「美味しいものを美味しく感じられる」当たり前のようですが、すごく重要で素敵なことだと思います。
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